私たち岡本テキスタイルは今年で創業66年。
岡山県の老舗生地屋に始まり、日本のデニム作りの進化の歴史と共に歩んできました。

2017年夏、岡本テキスタイルは桜新町の路地裏にサンプル工場、INDICE/アンジーズをオープンしました。2021年9月、武蔵小山に拠点を移しさらに活動の領域を広げています。

コレクションから個人オーダーまでお気軽にお問い合わせください

1本のデニムパンツを縫い上げるのに、岡山の職人は一体どれくらいのミシンを使用するのと思いますか?

ダイレクトドライブ高速本縫い自動糸切ミシン、ダイレクトドライブ高速針送り本縫い自動糸切ミシン、ダイレクトドライブ高速本縫い自動糸切ミシン、ダイレクトドライブ高速針送り本縫い自動糸切ミシン、1本針3本糸 上下差動送りオーバーロックミシン、2本針4本糸 上下差動送りオーバーロックミシン、ジーンズ裾三巻二重環縫いミシン、腕型3本針二重環縫いミシン、高速電子間止めミシン、電子鳩目穴がかりミシン、高速電子眠り穴かがりミシン、ベルトループミシン。それにエアーコンプレッサー、アイロン台 、裁断台。

ロール状態の生地から洋服を形にするために、職人は10を超えるミシンと設備を使い分け、手早く、美しい仕上がりを追求します。

しかし、これまで東京にはデニムを一から十まで縫える設備を揃えた工場がありませんでした。

理由はシンプルで、お金の問題です。洋服作りをめぐる現場は厳しい価格競争にさらされてきました。
一度下り始めた価格が下げ止まることはありません。服作りの現場は日本から中国に移り、
今ではベトナムやカンボジアといった新たな国へも移りつつあります。 洋服の作り手は、日に日に洋服を着る人から遠ざかるばかりです。

洋服がどんな風に作られているかを、少しでも多くの人に知ってほしい。
消え細る日本の洋服作りを、次世代に残していきたいと、私たちはいつも感じていました。

そこで私たちは「東京」に工場を作ることを決めました。

洋服つくりの縫製の現場において、現在の縫製工場のほとんどはパーツ縫いから始まる分業制。

新たなパーツの工程を覚えるのには時間を要するため、ポケット担当はポケットのみ、ベルトループ担当はベルトループのみ。
工場で働く縫い手は自分の担当分野だけを何年も何年も縫い続けます。
10年の経験があっても数パーツの技術しか持たない作り手も珍しくなく、縫い手は交換可能なオペレーターに過ぎません。

そんなアパレル業界にあって、唯一、作り手が一から十まで一人で洋服を縫い上げる「まる縫い」をできる技術を持つのがサンプル制作工場の縫い手。 INDICEでは熟練の技術を持つ戸田美代子を指導に迎え、日本のファッションシーンを支えてきた物つくりの技術を次世代に受け継ぎます。

戸田はメゾンブランドからアーティストのステージ衣装まで、デザイナーと密な関係での洋服つくりを手掛けて40年。
守秘義務からどのブランドを手掛けたかお伝えはできませんが、彼女の思い出話もぜひ工場にお越しの際はご期待いただければと思います。

  • 不定期に講習会を開催しております。お知らせはInstagramにてご案内しています!

戸田美代子

杉野学園ドレスメーカー卒業後、ワーキングのウェア縫製、スラックスのサンプル縫製、
スキーウェアのデザイン・パターン・サンプル縫製を経て、1988年にサンプル工場エムアンドティー開業する。
2010年 縫製工場の技術コンサルタント開始し、2013年 岡山県倉敷商工会議所による縫製技術者養成講座にて指導をする。
2014年 ジーンズソムリエ資格を習得し、2015年 繊維製品品質管理士(TES)資格も習得する。

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